近年、多い労務トラブル
- 賃金問題
- 特に多く見られるのがサービス残業(賃金不払い残業)により労働基準法違反というケースです。未払い賃金については支払命令を受けると2年間遡り支払う必要がありますので、なにより資金的なダメージも多くなります。こういったトラブルは、イメージダウンなど社外へのダメージもありますが、社内の士気や雰囲気への悪影響をもたらします。
- 解雇
- 通常、解雇は簡単にはできず、解雇するにあたって要件・手続きが厳格に問われてきます。とくに従業員から見ると、納得いかない解雇は、サービス残業問題と同様、社内に悪影響を及ぼすことに繋がるため慎重な対応が必要です。
- 雇用
- 従業員を雇用する場合、労働契約を書面にて交わす必要があります。これが成されていないと労働条件などにおいて入社後に会社側の説明と食い違うなどのトラブルとなり、個別労働紛争や早期退社の原因となっております。また契約条件は、現場のマネージャにも周知する必要があります。現場が知らずに条件以外の労働をさせトラブルになるようなケースもあります。
労務管理の現状
人事・労務・職場のトラブルは、時代の変化に伴い、個別化・多様化しております。また関連法規も毎年のように改正されています。
しかしながら、企業では生き残りや発展のために経営戦略の遂行が最重要視されており、労務管理の徹底や法改正への対応が後手になり見失いがちです。
その結果、近年ではトラブルを招き企業イメージダウンや社員への悪影響を与えることになり、会社として大きな時間やコストを費やすことになります。これを回避するには、就業規則の構築やそれを遂行する管理体制が必要となる。
労務就業管理とは
経営は,その3大資源(ヒト・モノ・カネ)がそれぞれの機能を発揮することによって,維持発展されます。この経営資源のなかでもとくに人的資源は非常に重要です。この人的資源(ヒト)がその機能を発揮しうるように環境を整備することで成果を生み出すことができます。モノ・カネにおいても、その中軸を担うのはヒト・組織となります。
その環境を構築することが労務管理であり、その内容としては,雇用、適正配置、教育研修、評価、考課制度などがある。
労務管理運営上のポイント
- 1.就業規則は、法改正や時代に合わせ、定期的なメンテナンスや変更を。
- 近年は頻繁に法改正が行われているため、就業規則には特に注意が必要です。(労働基準法だけでなく、労働安全衛生法など幅広く対応が必要)
- 2.労務管理は、時代の変化やライフスタイルに合わせた対応更を。
- 少子高齢化、女性の社会進出や国際化雇用などへの考慮や、若い世代の価値観の多様化やライフスタイルの変化に合わせた対応も必要となってきます。働きやすい環境の確保は優秀な人材の定着にもつながります。
- 3.IT化における企業リスクの観点での見直し。
- 情報のスピード化に伴い、ITの導入は必須になってきております。また情報を保持・分析・マネジメントすることにより、企業には継続的な売上アップに繋がる重要な要素となります。一方では情報漏洩やセキュリティ対策も含めた企業リスクヘッジも見据えた規定作りも重要な役割となります。
- 4.人事・労務管理の重要性
- 企業発展のためには、人事・労務管理は非常に重要です。モノをつくる、企画する、規則をつくる、いずれもそれを実行するのは「ヒト」になります。人事体制を確立し、教育・活性化することにより、一人ひとりの能力向上、人材の定着化が図られます。それを実践・実行するマネジメント体制や運営体制も併せて整備することで、会社全体の経営に影響し企業発展へとつながってまいります。